今風になったロマサガ2

2016.04.02
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ロマンシング サ・ガ2

とあるRPGのレビューを読んでいたとき、「あのアイテムを逃すと二度と取れないのはありえない!」という内容を見て「えっ」となったのはいつだったでしょうか。

RPGにおいて「完璧な記録」を目指すスタイルの人は割と多いと思われます。
それは単にパーティー全員をレベル99にするとかではなく、取り返しのつかない要素、いわゆる「時限要素」をすべてクリアした記録のことを指し、特定のタイミングでしか仲間にならないキャラクターとか、後に入れなくなってしまうダンジョンの宝箱とか、ボスしか落とさないアイテムとか、そういった諸々を余さず回収して初めて完成する崇高さを持ちつつも、特に使う当てもないアイテムをドロップするまで延々と同じ戦闘を繰り返すような、それはそれは不毛なスタイルでもありました。

自分は今でこそ「んなことようやったわな」という距離感ですが、スーファミRPGの全盛期は思い切りそのスタイルで、周りにも同じような酔狂な奴らが結構いたものです。仲間内でその観点で話題になるのはやはりスクウェア作品が多く、その中でも凶悪な難易度で知られていたのが、今回リメイクされた「ロマンシング サ・ガ2」でした。

ロマンシング サ・ガ2

ロマサガ2は、とにかくアイテムコンプリートの難易度が高いことで有名です。システムの性質上、すべてのモンスターに遭うことが難しいというのに、モンスターのドロップでしか入手できないアイテムが異常に多い。オートクレールや竜槍ゲイボルグなんて固定敵が落とすものはまだ易しい部類で、スペクターソードやウインクキラー、マジックハットといった出現時期の限られる敵のドロップは常に気を張っていなくてはなりません。

本気でアイテムコンプを目指すのなら、まず一覧表の作成は必須として、各ダンジョンの出現シンボルやイベントの進行を考慮するなど綿密な計画が求められるうえ、目標の敵を補足してからが本番。お目当てのアイテムをドロップするまでリセットの嵐が吹き荒れます。ダンターグ戦でコタツの脚でボタンを固定してコントローラーが壊れたのはいい思い出です。

ところが、冒頭に書いた某RPGのレビューの通り、近年のRPGはいつの間にか「時限要素=悪」という流れが押し寄せてきていました。

例えば今年の2月に発売された「いけにえと雪のセツナ」では、1体の敵に最大12種のドロップアイテムが設定されているにもかかわらず、大半のザコ敵はいつでも遭えるうえ、ボスの再戦施設なんかもあったりして、要するに取りこぼすと二度と入手できないなんてアイテムは基本的に存在しませんでした。

実際問題、取り逃した要素が大きくバランスを損ねるなんてパターンは早々ありません。ロマサガ2にある多くのドロップ限定品だって、ほとんどは開発品のほうが優秀です。代表格の竜槍ゲイボルグですら固有技を加味してちょっと攻撃力が上がるかなという程度。拾えたら拾えたで嬉しいけれど、なきゃないでどうにでもなるという、乱暴に言えば自己満足に過ぎない拘りです。

しかし、その自己満足に訴える意見は案外に多かったということなのでしょう。時限要素が排除されつつあるこの流れは、グラフィックやUI以外の進化を感じ取れる点であるとともに、自分にとって過去作品と現作品を分けるひとつの区切りと言えるかもしれません。

ロマンシング サ・ガ2

今回リメイクされたロマサガ2。
グラフィック以外の変更点や追加要素は、2010年に発売された携帯アプリ版がベースになっているのですが、この時期にも時限要素排除の流れはすでに来ていたようで、追加ダンジョンの「追憶の迷宮」では現在の敵レベルに関係なくすべてのザコ敵が登場するし、そもそも「強くてニューゲーム」の存在が、アイテムを取りこぼすという可能性、及びその概念自体を完全に消し去りました。

さらに「ドロップリング」というドロップ率が上昇するアイテムも登場し、従来よりドロップ限定品が格段に入手しやすくもなっています。このアイテムの効果は本当に劇的で、例えばSFC版では氷竜を100匹近く倒してようやく1本入手できた竜槍ゲイボルグが、このドロップリングを15個着けて挑んだ場合、10匹倒しただけで3本も落ちるという衝撃的な体験をさせてくれました。オートクレール、デストロイヤー、スペクターソードにウインクキラー、マジックハットにヒドラスーツに水鏡の盾、いずれも同じようなものでした。

個人的に、アイテムコンプリートなんぞ夢のまた夢であったロマサガ2において、このような「今風な」変化がもたらされるのは、基本となるベースが同じこともあってかより強く時限要素排除の流れを感じます。もうゼロからの再プレイなんて時代に合わない。やり込むにしても初回のプレイを突き詰めるのが今の主流なのでしょう。当時あれだけ苦戦したドロップ限定品が苦もなく入手できる夢心地に浸りながら、あの不毛なリセットを繰り返した日々が、ちょっとだけ懐かしくもなりました。

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